ここではラミネーター選びのポイントを解説したいと思います。
- 加工サイズ
- 仕上がり具合(ローラー本数)
- 加工できる厚さ
- 加工スピード
- 調節機能の有無
- どこでラミネーターを購入するか
- ラミネーターの価格
加工サイズについて
まず、基本となるのが、加工サイズです。
ラミネーターにはまず、加工できる幅によって主に表のように大別されます。
- カード専用
- はがき大まで
- A4サイズまで
- A3サイズまで
- A2サイズまで
- A1サイズ以上(業務用のロールタイプ)
ラミネーターには、まさに「大は小を兼ねる」ということわざがぴったりです。
なぜならば、例えば、A3サイズ対応であっても、小さなカードを加工することができます。
また、カードサイズを大量に加工する場合、並べて作業ができるので効率が良くなります。
もっとも売れていて、種類も豊富なのがA3サイズで、次がA4サイズです。
サイズが大きくなれば値段が上がりますが、ご予算に余裕があるのならば、大きめのラミネーター(個人的にはA3サイズ)をおすすめします。
仕上がり具合について
ラミネートの理想的な仕上がり具合は、「反り」や「うねり」がなく、透明度も高くて、ガラスで挟んだような状態だと思いますが、様々な条件によってこの仕上がり具合が変わってきます。
大きな条件のひとつに、ラミネーターの「ローラー本数」があります。
ラミネーターの内部にはラミネートフィルムに熱を加えながら送り込む「ローラー」が内蔵されています。(一部の機種でベルト方式があります。)
機種やフィルムの質、加工物によっても異なりますが、一般的にはこのローラーの本数により、仕上がり具合に差が出ます。
ローラーは上下で挟み込む形式のため、2本で1セットとなります。現在市販されているラミネーターでは、主として2本、4本、6本の3種類となっています。(中には10本というラミネーターもありますが)
仕上がり具合は、ローラー本数が多いほど良くなり、6本>4本>2本の順です。また、価格もこの順番になるため、値段とのバランスも考える必要があります。
加工できる厚さ
ラミネーターはローラーの間を紙を挟んだフィルムを通し、熱で圧着します。通常、この間を通すことのできる最大の厚さが決められています。
最もよく使用されるラミネートフィルムの厚さは100ミクロン(0.1mm)です。ほぼすべてのラミネーターが100ミクロンフィルムに対応しているので、この場合は特に気にする必要はありません。
しかし、150ミクロンや200ミクロンといった厚口フィルムを使用する場合はそれに対応したラミネーターを使用する必要があります。(厚口フィルムは、加工すると「下敷き」のようになるイメージです。)
たとえば普通のコピー用紙を250ミクロンフィルムでラミネート加工する場合の厚さは、片面が250ミクロンのため合わせて500ミクロン、さらに紙の厚さが約100ミクロン加わり600ミクロンになります。100ミクロンの場合は300ミクロンになり、2倍となります。250ミクロンフィルムに対応していないラミネーターでは、ローラーの間を通すことができないか、もしくは通ったとしても途中で止まってしまい、詰まってしまう可能性もあります。また、フィルムが厚くなる分、多くの熱を必要とするため、加工の途中で熱が足りなくなりノリが溶けずに白っぽくなってしなう場合があります。
150ミクロン、200ミクロン、250ミクロンなどの厚口のラミネートフィルムを加工する場合、ラミネーターが対応しているか確認する必要があります。
加工スピードについて
一度に大量にラミネート加工したり、またはお客様を待たせていて急いでいる場合などは、加工スピードも考慮したほうがいいケースがあります。
一般的なホームユースのラミネート加工速度は、A4サイズで1~2枚程度です。これに対し、業務用のハイスピードタイプでは4~5枚の加工ができるタイプがあります。もし一度に大量のラミネート加工を行う場合はハイスピードタイプをおすすめします。
(高速・大量加工をする場合は、安定した熱供給が必要ですが、通常、ハイスピードタイプの場合この点も考慮されています。)
調節機能の有無
ほとんどのラミネーターには温度調整機能がついています。これ以外にスピードや回転方向を調整できるタイプがあります。
スピード調整機能
ミドルクラスのラミネーターにはラミネートフィルムを送るスピードを調整する機能があります。このスピード調整機能により、仕上がりを良くしたり、ラミネート作業を早めることができます。より熱を必要とする厚口のフィルムを加工する場合は速度を落とすとキレイに仕上がります。また、急いでいる場合は速度を上げることも可能です。(いずれも合わせて温度調整が必要です)
回転方向を調整する機能
ミドルクラス以上には逆回転機能がついています。これは万が一フィルムが詰まってしまった場合、途中で間違いに気づいた場合に、ローラーを逆回転させて、フィルムを取り出すことができる機能です。フィルムの詰まり(巻き込み)はラミネーターの故障の80%を占めています。
例えばよくあるのがうっかりフィルムを逆方向に入れてしまうことで、機械内部でローラーに巻きついてしまい、取り出せなくなります。無理に引っ張ると歯車が壊れたり、センサーが断線するなどして、使用できなくなる場合が大半です。逆回転機能がついていれば、フィルムを取り出すことが可能になります。(注意:巻き込みの状態によっては取り出せない場合もあります。)
巻き込みの修理は有償で費用と時間が無駄になってしまいます。できれば逆回転機能(または巻き込み防止機能)が付いたタイプをおすすめします。
どこでラミネーターを購入するか
それほどラミネーターを使用しないライトユーザーはネット通販や量販店で安く購入するのがおすすめです。一方、ヘビーユーザーやメンテナンスを重視する場合は専門店をおすすめします。
ラミネーターの価格について
ラミネーターはサイズ・ローラー本数でほぼ同じような価格帯になっています。A4サイズ・2本ローラー機では2,000円~5,000円で、売れ筋のA3サイズ・4本ローラーでは8,000円~20,000円前後となっています。ラミネーターの価格については、別ページに詳しくまとめましたので、合わせてご覧ください。
→ラミネーターの価格について
ラミネート加工を外注するという方法も
大量に加工したり、自分で加工する時間がないまたは人手がないという場合は、ラミネート加工を外注するという方法もあります。インターネットで「ラミネート加工」と検索するとラミネート加工サービスを行っている会社がたくさん出てきます。
おすすめなのがラミネート加工を専門に行なっている会社さんです。大手チェーンのいわゆる「印刷コンビニ」と言われるようなところは、ラミネート加工も行っていますが、本業ではありません。特に枚数が多い場合や仕上がりを求める場合はラミネート加工だけを行っている専門業者さんの方がいいでしょう。おすすめは「ラミネート加工屋さん」というサイトです。業務用の専用ラミネーターで加工してくれて、値段も割安です。
まとめ
- 予算があるなら大きめのラミネーターを買った方がよい(個人的にはA3がおすすめ)
- 仕上がりにこだわりがあるなら、ローラー本数の多いものを選ぶのがいい。
- 厚口フィルムを加工する場合は、対応するラミネーターを選ぶ。
- 大量加工や急ぐ必要がある場合は、スピード調整できる機種がよい。
- 逆回転機能があると安心。
- ライトユーザーは価格重視の量販店、ヘビーユーザーやメンテナンス重視の場合は専門店での購入がおすすめ
- 価格はサイズ・ローラー本数・機能などのクラスでほぼ同じくらいになっている
- 大量加工する場合は、自分で行わずラミネート加工の専門業者さんに外注する方が効率が良い場合もある