ラミネートフィルムの種類と選び方

ラミネートフィルムには様々なサイズと種類があります。
またどんなに高性能なラミネーターを使っていても、フィルムの品質が悪いと仕上がりも悪くなってしまいます。
ここではラミネートフィルムの選び方や関連情報をまとめてみたいと思います。

ラミネートフィルムのサイズについて

現在販売されているラミネートフィルムの主なサイズを一覧にしてみました。
カードサイズにも、クレジットカードサイズや名刺サイズなどいくつかのバリエーションがあります。また、この表以外にもA4を縦半分にカットした短冊状のフィルムや、A4を縦に2枚つなげたロングサイズのフィルムもあります。
ラミネートフィルムはA4、B5などの紙の規格よりも一回り大きく作られています。現在は周囲の余白が3mmというのが最も一般的となっています。このため、フィルムの大きさは3mm+3mmで6mmほど大きなサイズとなっています。
(例:紙のA4サイズ=210×297mm vs ラミネートのA4サイズ=216×303mm)

サイズ 寸法(mm)
クレジットカードサイズ 54×86
IDカードサイズ 55×85
一般カードサイズ 60×90
名刺サイズ 60×95
定期券サイズ 65×95
診察券サイズ 70×100
写真サイズ(E判) 90×126
ブロマイドサイズ 100×146
A6(はがき) 111×154
A5 154×216
B6 134×188
B5 188×263
B4 263×370
B3 374×525
A4 216×303
A3 303×426
A2 430×604

上記の表以外のサイズでも、専門業者に依頼すれば、特注サイズのラミネートフィルムを作ってもらうこともできます。例えばお店のメニューやちょっと形が変わった目立つPOPなどをラミネート加工する場合に便利です。
ただし、特注の場合はプラスの費用が発生するので、少量の場合は割高になってしまいます。この場合は自分でカットしてもいいかもしれません。大量に加工する場合は特注することをおすすめします。

ラミネートフィルムの厚さについて

ラミネートフィルムの厚さにもいくつか種類があります。フィルムの厚さは一般的にミクロン(μ)で表されます。1ミクロンは1/1000mm(0.001mm)を表します。100ミクロンでは0.1mm、150ミクロンでは0.15mm、250ミクロンでは0.25mmとなります。ちなみにラミネートフィルムは2枚貼りあわせとなりますが、厚さの種類をいう場合は1枚あたりの厚さとなります。
ラミネートフィルムは厚みが増すほどコシが増えて丈夫になります。100ミクロンフィルムが最も一般的で、お店のPOPなどの掲示物、カード類など、通常の使用であれば100ミクロンを使用します。150ミクロンは100ミクロンより反りにくく耐久性が増します。お店のメニューなど人が触れたりする用途に適しています。200ミクロン・250ミクロンフィルムは加工すると下敷きのように硬くなります。プラスチック板の代わりとして使用することが可能で、看板や案内プレートとして利用されます。なお、ラミネーターによって加工できるフィルムの厚さが制限されます。一般的なパーソナル機では、100または150ミクロンまでとなっています。業務用ラミネーターでは200ミクロン以上の加工が可能となっています。
なお、80ミクロンや75ミクロンなど薄いフィルムもありますが、一般向けにはあまり販売されていません。

100ミクロン 150ミクロン 200ミクロン以上
厚さ 0.1mm 0.15mm 0.25mm
特徴 最も一般的なフィルムで、流通量が多く価格も安い。 やや厚めのフィルムで、反りにくく丈夫です。100ミクロンより耐久性が高い。 仕上がりが下敷きの様に硬くなる。
用途 掲示物・POP・カード類 お店のメニュー、各種カード、掲示物など。 看板や各種プレートなど。
対応機種 全ての機種 パーソナルラミネーターの多く 業務用ラミネーター
ラミネーターの
最大加工厚さの目安
(加工物を含む)
0.4mm 0.6mm以上 1mm以上

ラミネートフィルムの種類について

ラミネートフィルムには、接着の方式や、表面の種類などでいくつかの種類に分類することができます。

ホットラミネートとコールドラミネート

ホットラミネートはいわゆる普通のラミネートフィルムです。熱を加えて糊を溶かしてフィルムと紙を接着します。これに対し「コールドフィルム」は特に熱を加えることなく常温に近い温度で貼り付けます。コールドフィルムは熱を加えないので、熱に弱いものの加工ができます。熱に弱い溶剤インクのポスターなどの表面処理に適しています。このため、コールドラミネートは大判サイズが中心となっています。最近は100円ショップにコールドフィルムが売っています。ラミネーターを使わず、簡易的なラミネート加工ができます。いわゆる手貼りというやり方です。実はちょっと薄いですが、ラミネーターなしで加工が可能です。(2重に貼れば、厚みを持たせることも可能です)

表面加工による分類

通常、ラミネートフィルムの表面はつやあり(グロス)です。何も書いていなければ「つやあり」となります。
しかしツヤのあるフィルムは光が反射して見えにくかったり、ちょっと派手な感じがあるため、中にはツヤのないフィルムもあります。

ツヤのないフィルムを「マットフィルム」といいます。
表面にとした加工がしてあり、光の反射を抑えて落ち着いた感じとなっています。
ガラスで言えばすりガラスに似ています。
光の反射を抑えるため、蛍光灯や日光の反射を抑えて見やすくなります。また、同時に落ち着いた印象をあたえることもできます。
このため、和風レストランのメニューとして使用されることがあります。

マット(つや消し)フィルムは、表面のザラザラで反射を抑えているのですが、
このザラザラが別の用途で活かされいる場面があります。
それは、会員証などです。
ラミネートフィルムで加工してしまうと、鉛筆やペンでは書き込みが難しくなります。油性マジックで書けないことはないのですが、こすったり、時間がたつと消えてしまいます。
しかし、マットフィルムでは鉛筆で書き込みもできますし、マジックも長持ちします。
会員証の裏側に名前を書いたりしますよね。そのときにマットフィルムの特徴が活かされます。

マットフィルム(つや消しフィルム)は通常のフィルムに比べて加工にひと手間かかるため、やや割高となっています。
価格を抑えるため、片面のみマットフィルムという商品もラインナップされているようです。

マットフィルムは通常のラミネーターでグロス(ツヤ有り)フィルムと同じように加工ができます。
もし、落ち着いた印象を出したかったり、反射を抑えてより見やすくしたい場合にマットフィルムを利用してみてはいかがでしょうか。

その他特殊なフィルム

その他特殊なフィルムとして、紫外線をカットする「UVカットフィルム」があります。これは、日焼けによる劣化を防ぐフィルムで、直射日光が当たる場所の掲示物に利用されます。また、静電気を防止する静電フィルムもあります。これはラミネート加工時にフィルムの静電気を抑え、取り扱いを楽にするタイプのフィルムです。

ラミネートフィルムの品質について

どんなに高性能のラミネーターを使用してもフィルムの質が悪ければ仕上がりは悪くなります。
近年ほとんどのラミネートフィルムが中国をはじめとする海外製となっていて、以前に比べるとかなり安くなりました。特にインターネット通販で超激安のフィルムを見かけるようになりました。しかし、このような超激安のフィルムには注意が必要です。前に聞いたことがあるのですが、パッケージには100ミクロンと記載してありながら、実際はそれより薄く、80ミクロン程度しかなかったことがあるそうです。フィルムを薄くしてコストを削っていたようです。また、フィルムが長方形でなくてすこし歪んでいたり、2枚がぴったりそろわなかったり、ゴミや虫が混入していたり、糊が均一でないなど質の悪いフィルムがあるようです。このような粗悪なフィルムでは仕上がりが悪くなるばかりか、ラミネーターの故障の原因になりかねません。あまりに安いフィルムは疑ったほうがいいかもしれません。
では、どのようなフィルムを使えばよいかということですが、とりあえず安心して使用できるのはラミネーターの製造メーカーと同じ、いわゆる「純正フィルム」です。迷った場合は純正フィルムを選ぶといいでしょう。ラミネーターや原稿との相性によって仕上がりが変わることもあるので、口コミ等を参考にしていろいろ試してみるのもいいかもしれません。

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