通常のプリンターで印刷した用紙や写真を加工するのには特に気にする必要はないのですが、中にはラミネートには、加工に向かないものや、そもそも加工できないものがあるので、注意が必要です。
- 感熱紙
- 感熱紙をラミネート加工すると真っ黒になってしまいます。これはラミネーターの熱に反応してしまうからです。レシート、FAX用紙、コンサートチケットなど、感熱紙を使っている用紙はラミネートできません。私の知り合いは誕生日にFAXでもらったお祝いの寄せ書きをラミネートしたら真っ黒になってしまい、落胆していました。
- フリクションボールペンで書いた用紙
- パイロットのフリクションボールペンで書いた用紙をラミネートすると、なんと書いた内容が消えてしまいます。フリクションボールのインクは熱に反応して消える性質があります。通常はペンのお尻の消しゴムのようなゴムでこすることによって摩擦熱で消します。ラミネーターを通すとインクが加熱されて消えてしまいます。力作が真っ白になってしまうかもしれませんので注意してください。
- 厚いもの
- ラミネーターはローラーで熱と圧力かけながらフィルムの糊を溶かして紙に圧着させます。このローラーを通すことができる最大の厚さがラミネーターによって決められています。決められた数値よりも厚いものを通すと、たいていは、中に送り込まれず止まってしまうか、または部品が壊れてしまいます。最大ラミネート厚さは100ミクロン対応機で、0.4mm、150ミクロン対応機で0.6~0.7mm、業務用ラミネーターで1mm~1.5mm程度です。これはフィルムを含んだ厚さになります。100ミクロンフィルムで加工する場合、フィルムの厚さは0.1mmなので、上下合わせると0.2mmになります。例えば最大加工厚さが0.4mmのラミネーターの場合、中に挟めるものの厚さは0.2mm以下となります。通常のコピー用紙の厚さがだいたい0.1mmですので、2枚重ねた分となります。意外に薄いですよね。ちょっと厚いかなと思うものを加工する場合は、最大加工厚さを確認したほうがよいかもしれません。また、日常的に厚物を加工する場合は、業務用ラミネーターの使用をおすすめします。
- ひとつしかない貴重なもの
- 一旦ラミネート加工をすると、糊で接着されるためきれいに剥がすことができません。このため、やっぱり元に戻したいと思っても戻すことができません。また、万が一、ラミネート加工に失敗した場合も元に戻すことができません。通常は問題無いと思いますが、万が一を考えるとひとつしかない貴重なものはラミネートする前によく考えたほうがいいと思います。
- クレヨン・クレパスで書いた絵
- クレヨン・クレパスなどワックス系の画材は熱により変色・変質する可能性があるのでラミネートしないほうがいいでしょう。どうしてもという場合は、テストしてからラミネートしたほうがいいかもしれません。
- 和紙・布・薄い原稿
- 波打ったり巻き込み故障の原因になる場合があるので注意が必要です。
- 表面が凸凹していたり、シワが入っているもの
- 凸凹やシワがフィルムの上に表れて、波打ったり、よれたりする場合があります。
- 可燃物(セロハン等)・軟化しやすい物(塩ビ、ポリエチレン等)
- これらは、ラミネーターの熱が加わった時に柔らかくなって、巻き込んでしまう可能性があるので注意が必要です。
- 黒の面積が大きな光沢のある写真
- ラミネーターの性能やフィルム、用紙との相性にもよりますが、気泡ができたり、白っぽくなったりする場合があります。特にパーソナルタイプのラミネーターに多いようです。熱が不足したり、空気の抜けが悪いのが原因と思われます。業務用ラミネーターでは、温度・速度の調整を行えば、条件にもよりますが加工ができるようになります。
- フィルムだけのラミネート
- 何も挟まずにフィルムだけでラミネートすると、ローラーに巻き込む可能性が高くなります。しないほうがいいでしょう。